Work / Japan Airlines (JAL)

JALの国際線A350-1000で体験する日本の美

2024年1月、JALは長距離フラッグシップ機A350-1000を投入。そのキャビンインテリアはtangerineによって手掛けられました。このプロジェクトは、 JALとtangerine の約10年にわたるパートナーシップの集大成であり、二社の共創により生み出された”Infused Essence”というデザイン戦略は、A350-1000、A350-900、ボーイング787-8や777-300ERのレトロフィットなど、現在あらゆる個別のプログラムを通じて展開されています。パートナーシップの成果の指標の一つとして、FTE-APEX Asia 2019では「Best Passenger Experience Initiative」のゴールド賞を受賞し、Crystal Cabin Awardsにもノミネートされました。 

JALは、国内外の旅行者を増やし、事業を拡大することを目指して、「日本の伝統的でありながら革新性を持つ精神」を新しい4クラス(ファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミー)用の国際線機材に反映させることを目的として、 tangerineへデザインプロジェクトの依頼を実施しました。この新しい製品には業界初の試みが多数含まれており、例えば、ビジネスとファーストの座席に組み込まれたスピーカーは、ヘッドフォンを使わずに機内エンターテイメントを楽しむことができます。また、プレミアムエコノミーへの自動リクライニング機能の搭載も初の試みでした。 

Services

  • Design Strategy and Creative Direction
  • Aircraft cabin interior design
  • Industrial Design and Product Engineering
  • Mock-ups and Prototyping
  • CMF Design

Learn

2019年に開始されたJALの国内線プログラムとのコラボレーションに続き、tangerineは「Infused Essence」戦略を採用しながら、日本の美を表現する新たなデザインビジョンを作成しました。このビジョンは、A350-1000の全4クラスにわたって新たな解釈を提供しながら、JALの機材全体に確立されたデザイン言語とも一貫性を持たせることを目指しています。 

プログラム開始前には、JALの座席メーカーの選定をサポートし、候補となる二社のメーカーと共に、JALの要求に応じた2つのコンセプトを開発しました。このプロセスでは、JALと各ベンダーとのワークショップを開催し、各製品の可能性やカスタマイズのレベル、デザインコンセプトの実現性を反復しながら評価しました。その結果、tangerineの提案をもとに、Safran Seatsがファーストクラスとビジネスクラスの座席を担当することとなり、プレミアムエコノミーにはSafran、エコノミークラスにはRecaroが選ばれました。 

Leap

T選ばれた座席に対しては、それぞれ3つのコンセプトが開発されました。最初のものは、オリジナルの「Infused Essence」デザインビジョンに近い解釈で、次により進歩的なルート、そして最後にさらに革新的な解釈という形で進められました。これらのアプローチは、キャビン空間や座席のデザイン言語、CMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)について、JALのブランドに最善となる選択肢を見つけ、最適な乗客体験を実現するための意思決定を支援ています。最終的な選ばれたルートは、「Infused Essence」の進歩的な解釈となり、座席配置やクラス戦略に合わせて革新的な手法が採用されました。

Land

 

A350-1000のキャビンインテリアは、日本文化と美学の優雅さをお客様に浸透させ、穏やかで静かな雰囲気の中nにおける日本の美を体現しています。全クラスに新たにデザインされた座席が搭載され、これまでにない最もリラックスできる快適な体験を提供します。 

業界初の試みとして、Safran Seatsによって開発されたビジネスおよびファーストクラス座席の内蔵スピーカーは、乗客がヘッドフォンなしで機内エンターテイメントを楽しむことができます。ファーストクラスには3人掛けのダイニングスペースが設けられ、さらに座席は幅広いベッドにも変形可能です。JALはまた、プレミアムエコノミーに電動自動リクライニング機能を初めて導入し、キャビン中央に座席間のプライバシーを確保する固定式の仕切りを設置しました。 

キャビンインテリアデザインは、日本に息づく風景や音、体験にインスパイアされています。例えば、ビジネスクラスでは、和紙(障子)の壁がスライドドアやクローゼットに取り入れられています。一方、ファーストクラスでは、東京の名所であり、旧ホテルオークラのバーで訪れた大統領たちが楽しんだカクテルの光に触発された繊細なダウンライトデザインが施されています。さらに、JALの歴史の中で初めて、ファーストクラスの座席にプライバシードアが導入され、伝統的な日本の木工技術や浮世絵を彷彿とさせる美しい格子模様が施されています。 

JALのA350-1000の導入は、国内線と国際線の機材に調和をもたらし、2019年にA350-900に最初に導入された「Infused Essence」デザイン戦略に基づいてデザインされました。 

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Crystal Cabin Award 2024 Finalist