韓国を代表するビューティーブランドの旗艦店デザインとブランドポジショニング
AmorePacificグループ傘下の「Innisfree」は韓国No.1ナチュラル ビューティー ブランドです。同社のCEOは、世界的なスパブランドになるという野望を掲げており、ビジネス全体の将来的な方向性を模索するために、新しい旗艦店のデザインをtangerineに依頼してきました。ファストファッション市場では、消費者の嗜好の変化に迅速に対応し、すぐに対応できるインフラを整えることが鍵となります。
私たちは、Innisfreeの新しい旗艦店のインテリアを刷新するというリクエストを受けて、ブランド戦略とデザインを一から考え直しました。このアプローチは、Innisfreeに新たな視点をもたらすだけでなく、このブランドでしか生み出せない顧客体験を実現するための重要な要素でした。
Services
- Trend Forecasting & Vision Setting
- Ethnographic research
- Design & innovation workshops
- Colour, material & finish
- Retail Design
Learning
tangerineソウル代表のYoung Chooが率いるデザインチームはロンドンとソウルの拠点からプロジェクトに携わり、顧客や店舗についての詳細な調査を行いました。実際に店舗を訪問するだけでなく、顧客や店舗スタッフへの取材、ビジュアルマーケティング戦略の専門家と協力し、有益な顧客情報の収集に取り組みました。デザインチームは、韓国海峡の済州島に由来するInnisfreeブランドから、ユーザーマインドに響く「より大きな何か」へシフトする新しいデザイン戦略が必要だという結論に達しました。そこでtangerineは「Real Natural Living(真の自然な生活)」という新しいブランドコンセプトを提案することによって、 Innisfreeは単なるナチュラルビューティーブランドでなく、ライフスタイルブランドであるという概念を確立できると考えました。
新しい旗艦店には、この戦略的な方向性の変化を反映させる必要がありました。私たちは、お客様に素晴らしい体験や新たな発見を提供するために、店舗レイアウトから店舗内の人の流れ、ビジュアルマーケティング戦略までを一貫してデザインしました。
Leaping
ブランドの新たな方向性は、旗艦店の建物外観のデザインやインテリア、新製品の構成、パッケージから展示方法に至るまで店舗体験のあらゆる側面に浸透しています。
独自設計された床から天井まで伸びるフレグランスディフューザーにより買い物客は製品購入前に好きな香りを楽しむことができます。
Innisfree の自然派スキンケアシリーズに使用されている新鮮な天然素材を使用した飲食メニューを提供する「グリーンカフェ」では、同社の環境保全への姿勢を体現しています。カフェには特別にデザインされたブースや、再生可能プラスチック、環境に配慮した林産物を使用したチェアなどを設え、プライベートなやすらぎのダイニングを創出するために、天然木の柱を使って座席と空間を区切りました。
Landing
旗艦店では、五感を刺激する、他では味わえない顧客体験によって買い物客を店舗に引き込みます。また、店内では、お客様のライフスタイルや肌のタイプ、求める品質や成分に最も適した製品を簡単に見つけることができます。
ビジュアルマーチャンダイジング用のウォールやディスプレイは、インテリアの建築的表現の一部であり、ショッピング体験向上に寄与します。 全体の雰囲気は、クリーンでナチュラルでありながら、自信に満ちた力強いものであり、自然の持つ繊細かつパワフルなダイナミクスを表現しています。
Innisfreeの美容製品やグリーンカフェに使われている天然成分に着目をすることで、その自然の恵みから得られるメリットや、 Innisfreeの提供するライフスタイル、そして企業としての持続可能でより自然な未来へのコミットメントなどを、より一層ユーザーの心に訴求することができます。
「ソウルに新たな旗艦店をオープンすることで、『ライフスタイルを提案するSPAブランド』という新しいInnisfreeのブランドイメージを国内外に広めることを目指しました。tangerineは、こうした当社の目標を実現するため、効果的なデジタルインフラに裏打ちされた具体的な提案と他では味わうことのできない独自のユーザーエクスペリエンスを生み出すサポートを頂きました」
Se Hong Ahn氏、Innisfree CEO