販売プロセスを変革するサービスデザイン戦略
James Chenは、2005年にアイウェアメーカーのAdlensを共同設立しました。その目的は、誰もがアイケアとメガネを利用できる世界を作ることでした。 彼は、アフリカで革新的な活動を行っている「Vision for a Nation」という慈善団体を設立し、世界で最も貧しい地域に、地域の眼科医療と低コストの自己調整式眼鏡を提供しました。
2016年、Adlensは、45歳以上の年齢層をターゲットとしたプレミアム市場に目を向けました。彼らの多くは、近視と遠視の両方の視力が低下しており、従来の可変焦点レンズではうまく見ることができないのです。そこでAdlensは革新的な調整可能なレンズ技術を発明しました。しかし、消費者はそのユニークな利点を理解できず、調整可能なレンズ機付きメガネの売れ行きは芳しくありませんでした。
Services
- Product Design
- Design Engineering
- Colour, material & finish
- User Experience & UI
- Trend Forecasting & Vision Setting
Learning
レンズの機能性を重要視するあまりに、物理的なフレームやレンズのデザインを変えることができなかったAdlensは、戦略コンサルタントのMcKinseyに商業的なパフォーマンスの改善を依頼。そして「なぜこの革新的な技術がターゲット市場に採用されないのかを理解したい。」との調査依頼がtangerineに降りてきたのです。
ステークホルダーインタビュー、エスノグラフィック調査、市場調査を行った結果、適応型アイウェアの普及率が低いのは、製品のユーザーメリットが眼科医やセールスコンサルタントによって明確にされていない、あるいはデモンストレーションされていないことが原因であることが判明しました。不十分な販売戦略は、不十分なスタッフトレーニングと不十分な販売ツールにより悪循環を起こしていました。Adlensの既存のマーケティングコミュニケーションは、テクノロジー自体の説明に留まっており、そのテクノロジーからもたらされるユーザーの利点については十分に説明されていなかったのです。
Leaping
私たちは、広範なカスタマーエクスペリエンスマップを作成し、販売プロセスのどこに介入を加えれば、売上を向上させることができるかを特定することにしました。このマップから導き出された結果を踏まえ、アメリカのロサンゼルスに出向き、テスト用の眼鏡店を設置し、販売プロセスを模したユーザートライアルを実施。フィードバックを得ることで、サービスデザインの開発の反映に役立たせました。
広範なリサーチを経て、現在の販売プロセスにおけるサービスデザインマップを作成、消費者に対して、より明確なベネフィットを提案することができる領域を明らかにしていきました。
そうして私たちは、Adlensの販売戦略を変革を起こしました。調整可能レンズシステムによる利用者の利点を販売プロセスの様々な段階で紹介し、既存の製品群をキュレーションすることで、より明確なブランドを消費者に伝えることに成功したのです。
Landing
私たちは、Adlensの調整可能なメガネのユニークで画期的な利点を潜在的な顧客に十分に理解してもらうために、Allfieldブランドを起源とし、店頭のディスプレイや製品パッケージなどのサービスデザインをサポートする「パーツキット」を用意しました。
新しい名称とブランド提案、意図的にターゲットを絞ったマーケティング、販売トレーニングの改善により、お客様や眼鏡店の方々に、オールフィールドのメガネのレンズを手動で調整することで、どの距離でもはっきりと見えるようになるという重要なメリットを理解していただけるようになりました。
この新しい取り組みをサポートするために、私たちはオールフィールドの新しいウェブサイトを作成し、可変焦点レンズが機能しないときに、それに替わる適した眼鏡を探している見込み客のオリエンテーションと教育プロセスもサポートしました。