フォルクスワーゲンの eVTOLをtangerineがデザイン

Volkswagen Group China(フォルクスワーゲン・チャイナ)は、英国のデザインコンサルティングファームtangerine(タンジェリン)及び、中国の航空機器メーカー「Sunward(サンワード)」との共同デザインによる同社初のeVTOLを公開しました。

 

eVTOLは、特に中国の大都市間をビジネスやレジャーで移動する乗客を運ぶことが期待されています。初号機となる完全運用可能なプロトタイプは試験飛行を実施中であり、今後の実用化に向けた更なるプロトタイプの開発が進められています。

tangerineは、デザインプロセスを通じて、VolkswagenのデザインチームやSunward社と非常に密接に連携し、製造プロセスや風洞試験との整合性を保ちながら機体デザイン進めてきました。eVTOLのスタイルや形式、レイアウトは、中国全土の100人以上の富裕層を対象とした集中的なユーザー調査の結果が大きく反映されています。垂直移動用の8つのローターと水平移動用の2つのリアプロペラを装備し、キャビン(客室)は翼の下に配置することで、空気力学的に乗客がプロペラから距離を取れる形状になっています。また、地上から機内への乗客のアクセスをサポートし、機体を地上から垂直離陸させるための、エアロディナミックスケートが機体下部に実装されています。

tangerineは民間航空機のデザインで豊富な実績を誇り、最近ではFinnair(フィンランド航空)の新しい客室インテリアやヘルシンキ空港のラウンジ、JAL(日本航空)のフラッグシップ機などのプロジェクトを手掛けてきました。ラグジュアリーな空間と卓越した乗客体験のデザインにおける深い知見と経験が、VW Group Chinaの信頼を獲得し、今回のパートナーシップの締結に至りました。

tangerineのディレクターであるWeiwei Heは次のようにコメントしています。

「VW Group Chinaが初めて取り組む垂直離着陸旅客機のプロジェクトに参加できたことは大変光栄に思います。このプロジェクトにおける最もエキサイティングな点は、単なる奇抜なコンセプトデザインに囚われず、空中で実際に試験を行う実用的なプロトタイプの開発に焦点を当てていることです。近い将来、インテリアデザインとトータルなカスタマーエクスペリエンスをお見せできることを楽しみにしています。」