‘Metamorphosis’: a design vision for metro travel post-Covid

tangerineは、ポストCovidの世界における新しいタイプの地下鉄車両のデザインコンセプトを発表しました。このコンセプトでは、衛生的で安全な地下鉄の旅を提供することで、利用者の信頼性を向上させ、鉄道網の容量を増やし、旅客数を増加させる機会を提供することを目的としています。

Metamorphosisは、パンデミック時の移動に対応するため、空間を隔てることができるスライド式スクリーンを備えた適応性の高い車内と、衛生的な旅行のための様々なソリューションを備えています。

Metamorphosisは、将来のパンデミックを想定した地下鉄のコンセプトで、新型ウイルスによる地域的な混乱の中で、細菌感染のリスクを最小限に抑えるために列車の内装を容易に変更できるようにすることで、鉄道事業者の運行における計画性を高めることを目的としています。

Metamorphosisは、スライド可能なスクリーンを備えた適応性の高い内装を備えており、パンデミック時にはこのスクリーンを展開して、空間を小さなゾーンや「トラベルバブル」に分割することができます。フレキシブルな座席は、乗客同士のプライバシーと間隔を確保することを可能とし、接触感染の可能性を最小限に抑えます。HEPAフィルターを使用した空気清浄システムは常に空気の入れ替えを行い、車内には手の消毒用の非接触のハンドサニタリーポイントも設置されています。また、車両のQRコードを使用することで、乗客は自分の旅を記録すると共に、他の乗客の感染者情報も受け取ることができます。ドア周辺には信号機のようなイルミネーションが表示され、スクリーンやプラットフォームに乗客情報などが投影されることで、安全に離れた場所からの乗降を可能にしています。

電車のドア周辺に設置されたライト、PIS(Passenger Information System)スクリーン、ホーム上に投影されたメッセージなどの表示システムにより、お客様を迅速かつ安全に車内にご案内します。

Metamorphosisは、利用者の安全性と、鉄道事業者の商業性のバランスを取ることを目的としています。パンデミック時の混乱を最小限に抑えることで、利用者にとって安心できる鉄道サービスを維持することが可能になります。また、鉄道ネットワークの需要が高い時も低い時も、鉄道事業者は利益を確保することができるため、運賃の値上げや救済措置、政府の補助金の必要性も軽減することができます。

ブリティッシュ・エアウェイズ、ヒースロー・エクスプレス、トヨタなどのグローバル企業に対し、従来の常識を覆すような製品やサービス、体験をデザインすることで知られているtangerine社は、激動の時代における旅客鉄道サービスの成長をサポートするために、都市内の地下鉄旅行の未来像としてMetamorphosisを提案します。

このコンセプトでは、パンデミック時に生じる乗客の需要の山と谷に対応できるよう、地下鉄車両のデザインを見直しました。また、すぐに利用できる技術や素材を採用することで、車内のレイアウトも最適化しています。健康リスクの低い「平時」においては、多くの乗客が利用できるように、そして、健康リスクの高い「パンデミック時」には、物理的・デジタル的な変更を加えることで、ソーシャルディスタンスを保つ行動を促し、電車を衛生的な移動手段へと迅速に変容させます。パンデミック時にはスライド式の仕切り壁を設置し、車両スペースを小さなゾーン、すなわち「トラベルバブル」に分離することができます。また、QRコードを利用した追跡システムにより、同じ車両ゾーンに居合わせたほかの乗客の感染が発覚した際は、メール等により後から情報が共有されます。

Metamorphosisでは、スライド式の分割パネルを収納することで、平常時には最大の乗客収容数を確保し、パンデミック時にはパネルを展開して小さなゾーンや「トラベルバブル」を作ることができます。座席も折りたたみ式なため、様々な運行のオプションがご用意可能です。

QRコードを使用した追跡システムでは、各車両セクションに固有のコードを使用することで、乗客は自分の旅を記録し、危険な状態にある場合や自己隔離が必要な場合には警告を受けることができます。

tangerineの創業者兼CEOのMartin Darbyshireは次のように述べています。

「Metamorphosisは、旅客鉄道サービスの需要が高い時も低い時も、幅広い要件に対応し適応することができる、新しいタイプの地下鉄車両のデザインコンセプトです。このデザインは、Covid-19のウイルスリスクが収まった後には適さなくなるような、付け焼刃の解決策を講じるものではありません。この機会を利用して、キャパシティを増やし、将来的に新種のウイルスによる混乱のリスクを最小限に抑えることができる、より優れた地下鉄車両を私たちは提案しています」と述べています。

tangerine社のチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるMatt Roundは次のように述べています。

「我々のこの最新のコンセプトは、都市部の旅客鉄道サービスの未来について、実用的かつ刺激的なビジョンを示しています。tangerineは、航空、鉄道、自動車分野のモビリティープロバイダー向けにゲームを変えるようなソリューションを提供してきました。これまでの30年の経験を生かし、ビジネス上の必要性に対する商業的な理解とユーザーエクスペリエンスに対する鋭い理解のバランスを取りながら、将来のパンデミックのリスクに対処するために通勤電車をどのように見直すかという先見性のあるコンセプトをデザインしました」と述べています。

 

Design features summary

Metamorphosisの地下鉄車両の内装の固定部分は以下の通りです:

・座席を中央に配置し、ドアの幅を広げることで、車内外への流れを円滑にし、迅速な乗降を可能にする。

・座席の連結部は、運用に応じて自動で跳ね上げ/跳ね下げができるようになっており、「平時」のラッシュアワーにはより多くの人が立って移動できるようにスペースを構成し、「パンデミック時」には中央の座席を上向きに固定することでソーシャルディスタンスを保つことに役立ちます。

・ドアの脇に設置されたLEDのシグナルシステムとデジタルスクリーンは、乗客に乗車のタイミングとプラットフォームでの待機のタイミングを知らせ、安全性とソーシャルディスタンスを向上させます。

・腰掛けは、乗客のお尻と腰を十分にサポートし、手すりに触れる必要がないように、体を互いに遠ざける角度になっています。

・跳ね上げ式の座席、角度のついた壁掛けシート、スタンディングスペースを組み合わせることで、身体の向きを変え、乗客の空間とプライバシーを向上させています。

・空調にはHEPAフィルターを採用し、頭上の吹出口から直下の吹出口へと循環させることで、各座席周辺に局所的な循環気流を形成し、空気の二次汚染を低減しています。

・非接触のハンドサニタリーポイントで、地下鉄の乗り降りの際に手を消毒することができます。

 

パンデミック時の安全性と衛生性を向上させるための対応策として、以下のようなものがあります:

・中央に設置されたスライド式スクリーンを展開して、車両を小さなゾーンまたは「トラベルバブル」に分割することができます。

・車両ごとの最大乗客数を列車の外側に表示し、ドアを点灯させて乗客の流れを制御することができます。

・乗客案内システムには、ソーシャルディスタンスを保ち、手の消毒やフェイスマスクの着用を促すメッセージが表示されます。

・QRコードを使用した追跡システムは、各車両に固有のコードを持ち、乗客がスキャンすることで自分の旅を記録できるようになっています。利用者の詳細、タイムスタンプ、車両の位置が記録され、他の乗客と関連付けることができるため、後に体調不良を訴えた人と同じ車両に乗っていた場合、通知を受けることができます。

 

Find out about tangerine’s work in the rail sector for CRRC Changchun Railway Vehicles Co., here